ヒンドゥー教/M・B・ワング著、山口泰司訳

ヒンドゥー教 (シリーズ世界の宗教)

ヒンドゥー教 (シリーズ世界の宗教)

研究室で借りて来て、斜め読み。というか半ば拾い読み。


ステレオタイプなレッテルかもしれないが、ヒンドゥー教は、とても「におい」のある宗教だと思った。

◆これを読んだ限り、カーストの区別は必ずしも絶対的なものではないらしい。というか、絶対的な部分とそうでない部分があるのかな。


◆イギリスの統治・キリスト教による教化・教育がヒンドゥー教と教徒たちの伝統・社会習慣を「チャレンジ」にさらして、その結果カースト制度も疑念を向けられた、というのは非常にわかりやすいけど、そこにはやっぱり『進んだ西洋/遅れた故郷』という概念の存在を抜き難く感じる。それとヨーロッパの学者達の『古きよきオリエント』志向との関わりとか、なんかどっかで見たような構造。


あぁでも、「西洋」的な常識の優位を排除して、全く「相対的」に見るとしたら、サティーとか幼児結婚とかの問題性の根拠はどこから来るんだろ。女子割礼もそうだけど、『人道』って何?みたいな、そういう話になっちゃうのか。

むむむむ。むずかしいなぁ。


あと、ヒンドゥー教の「カルマ」って仏教のと同じ概念だと考えていいのかな。
だとしたら、カーストとかヴァルナ制度も別に運命論というか予定論ではないことになると思うけれども、そうすると輪廻との関わりとか、どうなるんだろ。


うーん。面白いけどわからない。

すごく複雑な宗教。