地下鉄サリン事件

から、昨日でもう10年だったのだなぁ。

10年前の昨日、小学校から帰ったら、その時間はいつも書斎で本を読んでいた祖父が、珍しくテレビを見ていて、なんというか、見たことのない、えもいわれぬ表情をしていた。

テレビの右下に、赤い、ぎざぎざとした毒々しいフォントで出ていた「劇薬!サリン」云々という文字をやたらはっきりと記憶している。

おそらくそれが「劇薬」という単語を知覚した最初だったと思うのだけれど、“劇”という字が、報道から推察するに“毒”と同義のように使われているのが不思議で、少し“劇”という漢字に対する印象が変わった。