今度は飛鳥に

行ってきた。ゴールデンウィークの大和路見仏ツアー・浄瑠璃寺・今回、と、一ヶ月に3回も奈良にお邪魔している。

本来の目当ては今ちょうど現物展示がされているキトラ古墳の白虎だったのだけれど、結局いつの間にか仏目当てになっていた。

白虎はなんだかえらく盛況で、某ネズミの王国のアトラクションのように60分待ちとかいう看板が出ていた。それだけ待っても、後ろに列が続いてるゆえにゆっくりは見られないというジレンマ。まぁいいけれども。

で、ご飯を食べてから雨の中歩いて飛鳥路見仏ツアーにシフトチェンジして、飛鳥寺へ。どこかの修学旅行生の一班と一緒にお坊さんのこなれた話に耳を傾け、人が少ないのを良いことに色んなアングルから堪能。なんか、すごいかっちりした感じだった。服の着方とか。個人的には杏仁形の目は若干好みではないけれど、座って見上げると確かに素敵だった。あれで1300余歳。はぁぁ。

飛鳥寺の境内には郵便ポストと電話ボックス(ほんとうに「ボックス」がそのままある)があって、なんだかシュールな佇まいで良かった。

それから、一向に来ないバスに見切りをつけて歩いてさらに岡寺方面へ。途中の万葉文化館にも立ち寄ってみたけど、何がしたいのか分からない感じだった。何でも、「天皇」と書かれた現時点で最古の木簡やら富本銭やらが出土した遺跡をつぶした上に立ってるらしい。この辺はもうどこ掘っても遺跡が出ちゃってしょうがないんだろうとは思うけれど、なんだかどこぞのつぶれた百貨店の話を思い出してしまった。

そのまま岡寺へ。運動不足の身体にはいささか急勾配すぎる坂道をひたすら登って、それでやっと見えてくるからか、この寺は前に来たときもすごく好印象なのだった。で、今回もやっぱり良かった。いい加減拝観終了が差し迫ったころに行ったけど、ゆっくり見られた。鐘もつき放題だし。あ、「放題」ではないけれど。あの塑像の白い感じは結構好きだったりする。それからあの大きさ。やっぱり大きいっていうのはすごいのだなぁと馬鹿みたいな感想を思った。

登ってきた坂をおそらく3分の1ほどの時間で降りて、最後の目的地・石舞台古墳へ。その頃には一日中降っていた雨もやみかけて、周りをぐるっと囲んだ山々から靄なんか立ちのぼっちゃったりして、えらくフォトジェニックというか、ありもしない絵心をくすぐるというか、とにかく良い感じの見た目になっていた。そこにあの巨石だから、ちょっとして異空間のようでもあったけれども。修学旅行生(たぶん)の間隙を縫ってじっくり見て、バスで橿原神宮前まで帰って、今日の行程終了。

とにかく、近鉄は遠い。でも良かったなぁ。機会があれば橘寺にも行ってみたい。そんなところで。