メゾン・ド・ヒミコ@MOVIX京都

今日は、めでたく大学院に受かった先輩と、お祝いで御飯を食べに行ったので、そのついでに。


ゲイである父・卑弥呼(田中泯)と、その父を嫌う娘・沙織(柴咲コウ)と、父の若い恋人・春彦(オダギリジョー)の距離感とか関係、が軸になっていることはなっているのだけど、その他のたくさんの人と、その想いがまざりあって、良い意味でとても曖昧で複雑なストーリーになっていた。

「ゲイのための老人ホーム」というキャッチフレーズから、勝手にもっと「シリアス」な映画を想像していたのだけれど、見ていて感じたのは深刻さよりも軽やかさだった。流しそうめんでパーティーをするシーンも、ダンスホールで「また逢う日まで」を踊るシーンも、『ピキピキピッキー』も、軽やかで楽しい。その姿勢がすごく素敵だと思った。

それから、田中泯の美しさ。思わず「圧倒的な」とかいう形容詞をつけたくなっちゃうくらい。沙織が自分と母親を捨てたことを後悔したことがあるか、と問い掛けたのに対して、「それでも、あなたが好きよ」と言った台詞が、ずっと頭を離れない。強くて深いひとだなぁと思った。

ホームの人達とは、ある種真逆の人間として描かれていた沙織の勤め先の専務(西島秀俊)も、西島秀俊ならではの感じで良かった。


あと、クリームがかったホームの建物が、青い空によく映えて、ちょっとゴッホの『黄色い家』のようで、素敵。