結局雨は上がらなかったけれど、
オペレッタ狸御殿を見に行った。
映画そのものは「ザッツ・ザ・エンタテインメント」という感じで、もう、天晴れ!だったのだけれど、隣の年配夫婦はうるさいし、後ろの人に椅子を蹴られるしで、あまり集中できなかった。むむむむ。
特に隣のご夫婦は、「あ、こういう中年にはなっちゃだめだな」っていう典型だった。せめて本編が始まってからエンドロール終わるまでは静かにしていてください。鈴木清順監督にどれだけ思い入れがあるかしらないけども。
まぁここで迷惑夫婦の愚痴を書いても仕方がないので気を取り直して。
- 出てくるキャストがみんな素晴らしかった。チャンツィイー・オダギリジョーの主演ペアはもう、見た後では他のキャスティングが思い付かないくらいだし、由紀さおりは髪形といいアイシャドーの具合といい昔日曜の朝に見ていた戦隊ものの敵ボスみたいだし。楽隊の狸の中にスカパラ谷中さんいるし。
- 美空ひばりデジタル出演も、全く違和感無し。これは私が彼女の演技をきちんと見たことがないからかも知れないけど。
- あと、オダギリジョーとパパイヤ鈴木が並んでる時の二人の縮尺の違いがなんとも。パパイヤは髷の部分を含めて普段より頭部の面積が多分大きかったせいか、3等身ぐらいに見えてマスコットっぽかった。
- とにかく、虚実の入り交じり具合が、何と言うか、凄いとしか言いようがないのだけど、すごかった。あぁもう日本語が貧しい。がらさ城・狸御殿・快羅須山だけで話が展開していたら、二次元の背景(金屏風みたいな)に三次元の人間、という組合せの多用もあって、全部「虚構」な印象になってしまったかもしれないところで、駝鳥道士(だったかな?ザビエルカットの山本太郎がやってた役)と農民達とのシーンが、「実」の部分としてうまく機能していると思った。城・御殿・山が、桜の木とか砂浜とかの一部を除いて、ある意味非常に「学芸会」的なセットのイメージだったのに対して、山本太郎と村人のシーンは全体的にリアリティを持たせたつくりになっていて、なんか「十三夜だから狸と人が恋に落ちることもできるのです」なんて冒頭で宣言されてもなお、「あれ?これって…」みたいな、ぐらぐらする感じがあった。あくまで感覚として、ではあるけど。
ええと、とりあえず、もう一回見に行きたい。