ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座/井沢元彦
ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 宗教紛争はなぜ終わらないのか
- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2004/11/20
- メディア: 単行本
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3宗教の解説部分はさらっと総まとめ・復習には良いのだろうけど、これだけではちょっと弱いかなぁという感じ。
それぞれの宗教者との対談は、うん、最初のキリスト教ファンダメンタリストとの話は、正直読んでいて辛かった。何と言うか、今のアメリカの、「自由」の名の下の押し付けがましさそのままで、薄ら寒い。
あとのユダヤ教ラビとイスラム教徒のスーダン大使の話は、意外と現実的で面白かった。ただ、イスラム代表の人は、イスラム内での宗教的位置付けはどうなんだ?と若干気になる。建築家とか略歴に書いてあるし、「現在の様々な対立の原因は宗教ではない」の一点張りだし。
ユダヤの人の、
「メシアがまだ来ていないことは、窓の外を眺めればわかります。」
というあたりの一連の言葉は、なんか、重かった。
この人の話は、「生きている間は、とりあえずであっても、人の友情が必要」とか、(エルサレムの岩のドームについて)「今日では非常に神経質にならざるを得ない問題です。どんな岩も、人間の命ほどの価値はありません。あの岩のために、たくさんの人命を犠牲にするわけにはいきません。」とか、結構好感が持てた。
とりあえず、この3人の意見・見解がそれぞれの宗教のコンセンサスではない、ということを意識するのは必要だろうと。一例としては興味深かったですが。