ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座/井沢元彦

3宗教の解説部分はさらっと総まとめ・復習には良いのだろうけど、これだけではちょっと弱いかなぁという感じ。

それぞれの宗教者との対談は、うん、最初のキリスト教ファンダメンタリストとの話は、正直読んでいて辛かった。何と言うか、今のアメリカの、「自由」の名の下の押し付けがましさそのままで、薄ら寒い。

あとのユダヤ教ラビとイスラム教徒のスーダン大使の話は、意外と現実的で面白かった。ただ、イスラム代表の人は、イスラム内での宗教的位置付けはどうなんだ?と若干気になる。建築家とか略歴に書いてあるし、「現在の様々な対立の原因は宗教ではない」の一点張りだし。

ユダヤの人の、

「メシアがまだ来ていないことは、窓の外を眺めればわかります。」

というあたりの一連の言葉は、なんか、重かった。
この人の話は、「生きている間は、とりあえずであっても、人の友情が必要」とか、(エルサレム岩のドームについて)「今日では非常に神経質にならざるを得ない問題です。どんな岩も、人間の命ほどの価値はありません。あの岩のために、たくさんの人命を犠牲にするわけにはいきません。」とか、結構好感が持てた。

とりあえず、この3人の意見・見解がそれぞれの宗教のコンセンサスではない、ということを意識するのは必要だろうと。一例としては興味深かったですが。