ここ数日

夏目漱石を読んでいる。

吾輩は猫である (岩波文庫)

吾輩は猫である (岩波文庫)

それでも文学部か、と良識ある大人の皆さんにはしょっぱい顔をされそうだけれど、文豪モノはあまり読んでいない。芥川に一時やや片足を突っ込んだ程度で。

 夏目漱石は、中学生のとき国語の授業で「こころ」の「先生と遺書」部分を読まされたことがあるけれど、そのときは、ちっとも響かなかった。なぜ先生が自殺するのかがまるでわからなくて、もやもやして、それ以来敬遠していた。
 でも、先日実家に帰っていたときに、暇にまかせて父の書斎にあった文学全集でこころをぱらぱらと読んでみると、引き込まれて、あぁ夏目漱石って、面白いんだ、と思って、ちょっと古本屋で買ってみた。

 こころとか、三四郎みたいな「先生と私」構造のものよりこれみたいな風刺ものが好き。うん、寝食を忘れて、とか、むさぼるように、とかそういう感じではないけれど、寝る前に少しづつ読みたいタイプの本。アイザック・アシモフ黒後家蜘蛛の会シリーズみたいな。

というか、やっぱり中学生では、「こころ」の機微はわからなかっただろうなぁ。そんな深遠な中学生じゃなかったし。