ロバート・キャパ写真展 CAPA IN COLOR @大丸ミュージアム神戸

木曜は授業が午前だけなので、昼から神戸まで出掛けて見に行った。

会場に入って、目に入って来た空の青がとにかく鮮やかなのにまず驚いた。なんでも、ポジフィルムを使っているそうだけど、第二次大戦中に撮られたというのがにわかには信じがたい。
その空の色も千差万別で面白かった。特にチュニジアフランス軍ラクダ部隊*1や米軍のパラトルーパーを撮った写真の、空の深い青と砂の黄色の対比が恐ろしく綺麗だった。まるでバグダッド・カフェのような。

展示の前半はずっと護送船団や空軍基地の写真で、写っているのは確かに戦争をする軍隊なのだけれど、被写体が人間中心であるからか、私が戦争を知らないからか、緊迫感というよりも、なんとなく穏やかな印象を受ける写真が多かった。

後半はヘミングウェイ一家を撮ったもの*2や、日本とインドシナで撮った写真が展示されていて、個人的にはこっちの方が面白かった。
日本では、京都の南座清水坂あたりやら、天理教本部やら、メーデーやらを撮っていて、メーデーの写真のなかには日本山妙法寺のお坊さんの一団まで写っていた。

インドシナの写真*3は、感傷的な意味を付与しようとする自分を認識しつつ、どっぷり感傷にひたって見た。

展示の最後には、モノクロームの代表作が並んでいて、その中の、パリ解放後に「ドイツ協力者」として罰せられ、丸刈りにされた若いフランス女性*4と、彼女を取り巻き、嘲笑する群衆の写真が印象に残った。前半にあった軍艦やら戦闘機やらの写真よりも、「戦争」が写っている気がした。

*1:でも戦う時はラクダを残して自力で勝負、らしい。

*2:茶色い瓶の飲み物を飲んでいるヘミングウェイの写真を見て、水曜どうでしょうの、オーストラリアの車中で大泉さんが展開した『男と酒』の話が脳裏にちらついて、可笑しくてしかたなかった

*3:亡くなる直前に撮ったという、「最後の一枚」もあった

*4:ドイツ軍兵士との間に生まれた乳児を抱いている