「寛容」か、「無関心」か

って、ものすごく「微妙」。こっちは「寛容」のつもりでも、あっちは「無関心」ととる。あっちが「寛容」なつもりでも、こっちには「無関心」と映る。

「対話」しかないのか。っていう発想が出てくるあたり、自分でも理想主義者だとは思うけど。

ロンドン緊迫:英国移民政策 異文化に「寛容」が裏目
 【ロンドン福島良典】異文化に寛容な英国でパキスタン系、東アフリカ系イスラム教徒のテロを防げなかったことで、移民政策のあり方が改めて問われている。

…(中略)…


 移民政策では放任主義傾向の英国と、国家統制色が強い仏は両極にある。英国は少数派の宗教・民族コミュニティーの存在と権利を認め、「『国内で問題を起こさなければ海外での活動をあまり問わない』が方針だった」(イスラム紙編集長)。中東の反体制派がロンドンを拠点に活動、イラクなどの難民が英国を目指したのも、英政府の寛容政策が大きな理由だ。

 これに対し仏は国家と市民の中間に位置する宗教・民族集団を特別扱いしない。公教育の場でイスラム教徒の女子児童・生徒にイスラムのスカーフ着用を禁じているのは徹底した政教分離原則の表れだ。政府はイスラム教の過激派説教師を国外追放する一方、仏語を話す穏健派説教師の養成に乗り出すなど、国家介入を強めている。

 介入しない英政府の政策はイスラム教徒の側からは差別や貧困などの現状放任とも映り、ロンドンの「イスラム人権委員会」の調査によると、在英イスラム教徒の過半数が「政府はイスラム教徒を尊重していない」とみているという。

 フランスのイスラム専門家、オリビエ・ロワ氏(55)はロンドンでのテロを「欧州育ちが実行容疑者だったマドリード列車爆破テロ(04年3月)などの延長線上にある」と位置付け、「既存システムの破壊が目的」と分析する。欧州では「英国の移民統合の失敗」(マルソー仏下院議員)との見方も出ている。

毎日新聞 2005年8月1日 22時29分

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/20050802k0000m030090000c.html

アファーマティブ・アクションの必要性とか、多文化主義とか、いろいろ難しい。

文化的にも「ノーマライゼーション」がひとつの理想なのだろうとは思うけど、現状ではあくまで理想でしかない。